
やあみんな!
自分は根っからの格闘技好きです。
学生の頃はよくk-1を見ては「俺ならミルコクロコップを倒せるのに」と謎の自信に満ち溢れては、公園で木を相手に猿真似シャドーをやる日々でした。
ちなみに木を殴った結果、拳が血まみれになって泣きながらお家に帰ったのは内緒です。
そんな自分がまた木を殴りたくなるほど、注目しているのが「那須川天心」というキックボクサーです。
神童「那須川天心」
- 那須川天心とは?
- 那須川天心の「強」ポイント
- K-1王者「武尊」との対戦はあるのか?
アマチュア105戦99勝

幼少期より空手の練習に励み、空手世界大会を制覇したのち、K-1に憧れキックボクシングに転向。アマチュア戦績は105戦99勝5敗1分。
その後、わずか16歳でキックボクシング団体「RISE」でプロデビュー。デビュー戦の相手を1ラウンドで瞬殺し、あまりの強さからプロデビュー1年目で異例のタイトルマッチが組まれることに。
チャンピオンは2年間無敗の絶対王者であったがこの試合もわずか2ラウンドでKO勝利。ここに弱冠16歳のキックボクシング王者が誕生した。
プロ20戦20勝(16KO)
那須川天心のこれまでのプロ戦績は20戦20勝。未だ無敗の高校生だが、なんとこの20勝のうち「16試合」がKO勝利なのだ。
キックボクシングは体の小さい軽量級は「KOが少ない」というのがセオリーだったが、この天心選手は圧倒的な「スピード」と「技術」をもってKOを量産する、軽量級の中でも頭ひとつぬけた存在なのだ。
世界の王者達を全員KO

国内だけでも既に
■ RISE王者にKO勝利
■ シュートボクシング王者にKO勝利
■ REBELS王者にKO勝利
■ DEEP☆KICK王者にKO勝利
と王者クラス全員にKO勝ちしているのだが
海外勢を相手にしても
■ 中国散打王者を1RKO
■ ムエタイ現役世界王者を1RKO
■ ヨーロッパキック二冠王者を1RKO
■ ボクシング元世界王者をパンチでKO
と圧倒的。残すは国内最強k-1の王者のみといわれているが・・・
攻撃を全くもらわない目の良さ

なんといっても彼の真骨頂は「目の良さ」にある。
彼がプロデビューして以来、私は彼がまともにクリーンヒットを貰ったシーンを見たことがない。
多くのキックボクサーは相手のパンチを貰わないようにしっかり「ガード」を固めて攻めていくのだが
彼は「スウェー」という上体を逸らす避け方で、まさに「紙一重」で相手の攻撃をかわすのがとても上手い。
まるで相手の攻撃がスローで見えているかのようだ。
そして試合中に相手をよく見ている。相手が同じカウンター型の選手だと、お互い見合って試合が膠着するシーンも見られる。
目にもとまらぬスピードの速さ

他の選手と比べて、まるで早送りでもしているかのようなスピードが彼の強さの秘密かもしれない。
天心選手の試合をみると、対戦相手がたびたびスピードに翻弄され、ガードもできぬまま倒されているのが分かる。
天心選手は練習前後と風呂上がりの後に「柔軟運動」を一番入念に行っているようだが、これこそが彼のスピードの秘密だ。
「瞬発力は柔軟な筋肉から」というように、身体が硬いとスピードもでなくなるが、彼の筋肉は異様に柔らかく、フジテレビの番組出演時に関根勤から「筋肉が柔らかい」と絶賛されていた。
これを裏付けるエピソードが、2016年に総合格闘技デビューしたときの試合だ。
この試合で天心選手は、キックボクシングには無い「関節技」の「アームバー」を決められて、あやうく腕を折られそうになった。
しかし普通の選手ならここでギブアップするのだが、彼の腕は190度くらいにグニャりと曲がり、そのままアームバーを抜け出してから大逆転勝利を収めている。
「筋トレよりも柔軟運動」という言葉があるが、まさにその象徴が天心選手だ。
後の先を取る!カウンターの上手さ

自分はいままでいろいろな格闘家の試合を見てきたが、天心選手ほどカウンターの上手い選手は見たことがない。
前途の「目の良さ」と「圧倒的なスピード」がふたつ合わさって、天才的なカウンターが生まれる。
彼の試合を見るとその多くが「カウンター」により決着がついているのが分かるだろう。
一番象徴的なのは、タイの現役ムエタイ王者を倒した時の、あのバックスピンキックだ。
こればかりは聞くより見た方が早いだろう、ということで今までの試合のダイジェスト動画を作ったので、時間があるなら以下の動画を見てほしい。
もはや人間の動きじゃない・・・
天心を唯一倒せる可能性があるといわれる選手「武尊」

私がもうひとり注目している選手がいる。それは新生k-1の軽量級王者「武尊」だ。
天心、とか、武尊とか、お互いに凄い名前だが、リングネームではない。
いま、新生k-1で軽量級離れしたパワーとフィジカルで、ひときわKOを量産する若い選手がいる。彼こそが「武尊」だ。
天心選手が「スピード」と「テクニック」でKOを量産するなら、
武尊選手は「パワー」と「フィジカル」で相手をKOするといえる。
通称「ナチュラルボーンクラッシャー(生まれながらの壊し屋)」
追い込まれれば追い込まれるほど前に出て、アドレナリン全開になると試合中に笑みがこぼれるという。

大体の選手は、武尊選手と打ち合いになると、圧力にのみこまれて、腰が引けたり、戦意喪失してしまう場合が多く
これが気の強い選手の場合だと、お互い前に出てバチバチの打ち合いになり、会場は大盛り上がり。
この熱いファイトスタイルも武尊選手の人気が高い要因でもあるだろう。
戦績は31戦30勝1敗。うちKOは18試合。

KO率だけなら天心選手の方が上だが、プロデビューしてからの試合数では武尊の方が多い。
何かと話題の二人だが、じつは過去に何度か対戦機運が高まったことがある。
はじまりは天心選手が、国内の各団体王者が集う「BLADE」のトーナメントで全試合KO優勝という偉業を達成した後のことだった。
「あともう一人やりたい選手がいる。k-1の武尊選手です。僕は全試合KOで勝ったので、僕の方が上だと思います。」と武尊に宣戦布告。
後日武尊は「世界中から僕と戦いたいという声が届いているので、その中のひとりとしかみていない」と眼中にないことをアピール。
すると今度は武尊選手の試合後に、観客に混じって天心選手が現れ「大晦日やりましょう」と会場で直接宣戦布告したのだ。
武尊選手とグローブを合わせました。
大晦日でやろうと。
俺はその言葉信じます。— 那須川 天心 (@TeppenTenshin) 2015年11月21日

しかしこれを「観客」かと勘違いした武尊は何を言ってるのか聞き取れず、結局大晦日に武尊は別の中国人と戦い、対戦が実現することはなかった・・・。
これほど強い二人なのだから、いますぐ対戦して欲しいものだが、もう最初の対戦機運から二年以上経過している。
これにはメンドクサイっちゃメンドクサイ、日本のキック界が抱える闇が見え隠れする。。。
高まる対戦機運と実現しない現実

2015年大晦日に武尊の『RIZIN』参戦が決まったとき『ついに天心選手とやるんじゃないか』との期待が高まったことがある。しかしRIZINの榊原代表は「武尊選手の対戦相手に那須川天心くんも考えましたが今回は時間が足りず決まらなかった。」と発言。
つまり提案として「天心選手」の名前は出たものの、何者かの反対があり、違う選手となった。ということだろうか。
ここについては明確な証言がないため、憶測で語るのは控えることにしておく。
さらにこれから二年後の2017年、武尊の試合後に解説を務めていた旧k-1王者「魔裟斗」が「こうなったら僕は那須川天心との試合が見たい」と発言。
しばらくの間、タブー視されてきたこの問題を ”あの魔裟斗が発言した?!” と話題となり、瞬く間にツイッター上で拡散。
魔裟斗の発言シーン
『那須川天心と武尊の試合が見たい』 pic.twitter.com/4AZLdogi1c— 【武尊vs天心】応援アカウント (@fightergogo) 2017年6月20日
しかし発言が記録されているユーチューブの公式動画がアップロードされてからわずか数分で削除され、発言部分だけ綺麗にカットされた動画が再アップロードし直されることとなったため炎上。
さらにさらに同じ2017年8月、RIZIN総本部長の「高田延彦」が「武尊vs天心を見たい!」とツイッター上で発言して、瞬く間にリツイートが広がり大きな反響を呼んだ。
さらに、総合格闘家の「桜井マッハ隼人」、芸人の「有吉」「ピコたろ・・・じゃなくて古坂大魔王」も便乗して「武尊vs天心が見たい」と発言したことで、
あらためてこのカードが、コアな格闘技ファンのみならず、多くの人に注目されていることが浮き彫りとなった。
しかし、「高田延彦」はすぐ発言を撤回し謝罪するという展開になり「裏で何か圧力があったんじゃないか」との憶測が飛び交って、またしても炎上。
なぜこれほどまでに対戦が実現しないのか?一部では「k-1運営がスター選手を負けさせないようにしている」などと囁かれているが、これには深い団体間のしがらみがあるのだ。
対戦難行の背景にある団体間の事情
そもそも那須川天心と武尊は所属団体が違う。武尊はk-1、天心はRISE。そしてこのk-1とRISEは因縁の関係なのだ。
ことの発端は旧k-1が資金練りに苦しみ経営悪化で消滅しそうだった頃、k-1と提携しており良好な関係だったRISEはk-1グループを離脱。
このときの出来事は両者に正義があり、RISEからすればもちろん自らの団体の選手たちを守るためと考えるなら当然っちゃ当然なのだが、k-1からすると良好な付き合いをしてた弟団体に裏切られた、ということにもなる。このことが発端でk-1とRISEの間には亀裂が入った。
そしてk-1は一度消滅するものの、運営会社が「グッドルーザー」に代わり、「k-1」の看板を掲げ「新生k-1」として再始動した。
最初こそ規模は小さく、旧k-1の足元にも及ばなかったが、着実に着実に興行規模を拡大し、いまや埼玉スーパーアリーナで試合をできるまでに成長した。
しかし成長し、軌道に乗った今でも、旧k-1時代に裏切った「RISE」の選手はk-1とは関わることができないままでいる。しかもk-1からRISE選手の引き抜きなどが多発しており、このことがまたk-1とRISEの溝をより一層深める原因となっている。
「武尊」と「天心」というスター選手は、そんなクソめんどくさい大人の事情に巻き込まれている、ある意味で被害者なのだ。
(なので、選手に直接「逃げるな」というのは根本的に違う)
もし二人が戦ったらどうなるのか?
戦う見込みが低いならいつものアレ!妄想でふたりを戦わせてみよう。
■利き手の違い
まず、武尊選手はオーソドックス(右利き)、天心選手はサウスポー(左利き)。この点では天心選手有利であると見ている。
一般的に左利きは有利と言われる。その根拠は人間の急所である「レバー」を直に攻めることができるからだ。
また右利きは全体の8割以上存在するのに対し、左利きは2割と、選手比率が圧倒的に少ないため、右利きとはやりなれてるけど、左利きとは対戦経験が少ない選手が多いのだ。
そしてなにより武尊選手自身が「サウスポーに苦手意識がある」と述べており、過去に敗北した1敗の相手もサウスポーだった。
実際に戦えば、左からの攻撃で武尊選手が被弾してしまうシーンがあるだろう。
とくに武尊選手は大振りのフック気味にパンチを打つので、まっすぐ飛んでくるストレート系のカウンターが入りやすい。
しかし武尊選手はこれでゾーンに入り、笑顔で圧力と手数を増やしていくだろう。
■フィジカル、パワーの違い
天心選手はジュニア時代から小柄で、プロになった現在もほとんど減量はせず、ほかの選手にありがちな減量苦も経験したことがない。
つまりもっと落とそうと思えば落とせるので、本来は55kg以下が適正だが、強すぎて敵がいないので55kgに上げている状態といえる(現在は57.5kgでも試合をしている)。
一方、武尊選手は通常体重65kg。そこから試合に向けて10kg減量し、55kgで戦っている(現在は58kgで試合)。
つまり両者の基礎体重は元々違う。
普段の体重は重いが、無駄な脂肪を極限まで削ぎ落として、筋肉の質量を高めて55kgで試合をしている武尊と、ほとんナチュラルに近い体重で試合をしている天心選手とでは、単純に筋肉の質量の多い武尊選手の方がパワーもフィジカルも天心を凌駕するだろう。
実際、天心はプロデビュー後にKOで倒せず苦戦した2試合はともに、フィジカルの屈強な外国人選手で、この外国人戦では相手選手の強烈な攻撃をまともにくらうシーンも見られ、珍しく足元がふらつく場面があった。このことから天心は、フィジカルの強い選手に苦戦していたことが分かる。
武尊選手の圧力に負けて、打ち合いとなった場合は天心選手が不利だろう。
しかし空手時代には自分の体重(30kg)の二倍ある選手とも戦って勝った経験があるので、苦手でも「全く勝てない」わけではなさそうだ。
武尊選手の圧力を足を使いしのぎ、カウンターのチャンスを伺う天心選手。前に出て圧力をかけ続ける武尊選手。
首相撲や掴んでの攻撃が禁止されているk-1ルールもあって、ゼロ距離での打ち合いに持ち込まれるとさすがに天心選手はやり辛い。
■ファイトスタイルの違い
武尊選手のファイトスタイルは自ら前蹴りやミドルで圧力をかけ続け、ロープ際に追い込んでから、大振りの強烈なパンチを散らして打ち込み、相手が反撃してきてもなりふり構わず殴り倒すバチバチのインファイターだ。パワーが売りの選手でも、武尊選手の圧力に飲み込まれてしまう場面が多くみられる。
一方、天心選手のファイトスタイルは、じっくり相手の動きを見て、相手が動き出したらタイミングを合わせてカウンターを出し、相手が動かなければスピードのあるジャブで相手に揺さぶりをかけつつ、そのジャブに反撃してきたところにすかさずカウンターを入れていくという、常に「カウンター」狙いのファイトスタイルだ。
この両者のファイトスタイルで比較すると、対戦すれば、武尊選手が先に攻撃を仕掛けていき、それに天心選手がカウンターを打ち込んでいくという展開になるだろう。
まともに打ち合えば天心選手がフィジカル負けするのが目に見えてはいるが、天心選手がカウンタースタイルでいくなら武尊選手が被弾する可能性の方が高い。
その根拠として、唯一武尊が敗北した相手「京谷」の戦い方がまさに「ヒット&アウェイ」のカウンタースタイルだったからだ。
大振りの武尊選手に、まっすぐのカウンターがヒットし、一瞬手が止まる武尊選手。しかしすぐムキになり手数を増やし、殴り倒そうとする。
ロープ際に追い込まれた天心選手は距離をとりなおすため、リング際から脱出。自分の距離から再び武尊選手と対峙し、前に出てきた武尊選手にカウンターパンチ一閃!
■タフさの違い
天心選手といえば20戦20勝(16KO)で有名だが、その16KOのうち実に「10試合」が1RKOという驚異の瞬殺力。
ただし試合中にはほとんど被弾しないため、まともに攻撃を貰うこともなく、打たれ強さはまだ未知数なところがある。
一方、武尊選手は試合中にバチバチの打ち合いを展開するので、自らが被弾する場面が多々見られる。
ただ攻撃を貰っても、怯んだり、勢いが衰える場面は少なく、逆にハートに火がつくのか、笑顔で前進してさらに攻撃的になることが多い。
また練習面でも武尊選手は実践的なスパーリングを重視しており、スパーリングで血まみれになることがよくあるというが、天心選手はスパーリングはほとんどせず、シャドーボクシングを重視しているというからこの面でもタフさは武尊選手の方が上であろう。軽いカウンター程度ではびくともせず、逆に闘争心に火をつけてしまう可能性が高い。
くらってもくらっても倒れず前へ出る武尊選手。天心選手もさすがに疲労がたまるが、武尊選手も何度もカウンターを入れられ立っているのがやっと。
結論
総合的にみると相性的にもやや天心選手が有利か、といった見方になるが、
格闘技に100%は無いので、もしかするとフィジカル面や打たれ強さ面で負けてしまうかもしれない。
実際のところ、やってみなきゃ分からないのだが、k-1運営がそれを避けてる事実は変わらない。